「お腹、ペコペコなのにっ とっても、お腹空いてんのっ 良ちゃんが酒盛り始まって食べるものいっぱいあるから来いって言うから来たのにっ なんで、何にも食べさせてもらえないで、ずっと、ずっと、質問攻めなのっ お腹、空いたっ」

うわーっと一気に不満を喚き散らす英吾に、聡は苦笑しながら冷蔵庫を探り始めた。

「よし。超大盛りケチャップご飯のとろとろオムレツのせ作ってやる」

聡からの提案に英吾は諸手をあげて喜んだ。

「やったぁっ サトルさん、大好きっ」
「サトルくん。それ、オムライスって代物じゃ」
「違うのっ あれは、ケチャップご飯のとろとろオムレツのせで正しいのっ」

判ってないな、良ちゃんは。
良太郎のツッコミにそう反発したのは、聡本人ではなく英吾だった。その言葉に良太郎は肩を竦めるしかなかった。

「ほら。英吾。ご飯できるまで、コレ食べて、コレ呑んで。機嫌直す」

いくつものスナック菓子を袋ごと英吾に差し出し、焼酎を並々と注いだグラスを英吾の前に置き、夏海は英吾を宥めた。