「ひ、ひでぇ、ですよ。サトルくん」
聡のあんまりすぎる言葉に、良太郎は憤慨しまくった。
しかし、聡は堪えた様子もなく言葉を続ける。
「おメーら、何食わせても、うメーしか言わねーだろ」
「美味いものを美味いって言って何が悪いです? 他にどんな言葉で必要ですと?」
「おメーは、仮にも作家先生だろ。も少し言いようがあるだろよ」
「なるほど。俺に毎回ここで食った飯の感想を、豊かな表現力駆使して書いていけと」
「おー。いいな、それ。メニューにコピーして貼り付けっかな。なんなら、額に入れて壁に飾るか?」
「あはは。英吾に写真も撮らせて、一緒に飾ります?」
「オイラの料理と、英吾の写真と、良太郎の文章か。そのうち夏海さんのことで、本にしてもらうか」
「俺、本になるほど食ったら、確実に太るー」
「おメー、帰ってきてから、顔丸くなったろ」
「サトルくんの飯に、お袋の飯ですよ。いくらでも食っちまいますよ」
ケンカしながらも笑いあう、仲のよい兄弟のような聡と良太郎のやり取りを聞きながら、頑なに顔を逸らしたままでいる夏海に、長谷は話しかけた。
聡のあんまりすぎる言葉に、良太郎は憤慨しまくった。
しかし、聡は堪えた様子もなく言葉を続ける。
「おメーら、何食わせても、うメーしか言わねーだろ」
「美味いものを美味いって言って何が悪いです? 他にどんな言葉で必要ですと?」
「おメーは、仮にも作家先生だろ。も少し言いようがあるだろよ」
「なるほど。俺に毎回ここで食った飯の感想を、豊かな表現力駆使して書いていけと」
「おー。いいな、それ。メニューにコピーして貼り付けっかな。なんなら、額に入れて壁に飾るか?」
「あはは。英吾に写真も撮らせて、一緒に飾ります?」
「オイラの料理と、英吾の写真と、良太郎の文章か。そのうち夏海さんのことで、本にしてもらうか」
「俺、本になるほど食ったら、確実に太るー」
「おメー、帰ってきてから、顔丸くなったろ」
「サトルくんの飯に、お袋の飯ですよ。いくらでも食っちまいますよ」
ケンカしながらも笑いあう、仲のよい兄弟のような聡と良太郎のやり取りを聞きながら、頑なに顔を逸らしたままでいる夏海に、長谷は話しかけた。


