メイが走り去ってすぐ、俺は追いかけた。
そしたらメイは止まった。
声をかけようとした。
だけど...
かけれなかった...。
メイが見ていたのは、夕陽と有紗がキスをしているところだったから...。
中川有紗...
俺と有紗が出逢ったのは高校に入ったときだった。
「めっちゃ可愛いー。」
入学式から男子に注目を浴びていたのが有紗だった。
「可愛いな...。」
友達の話しにあわせつつも俺は有紗になんの興味も持てなかった。
確かに可愛い。
けど、女は女。
人間は人間。
そうゆう考えの俺は、今まで彼女を作らなかった。
「魅月ー。海斗君から。」
高校から帰ってきたら、俺宛てに手紙が届いていた。
俺の双子の兄
海斗からだった。
【魅月、もし俺のことを必要としていた女に出逢ったら、かまってあげろよな。】
短文だった。
まぢ意味わかんなかった。
海斗とは、親の離婚が原因で引き離された。
海斗はお母さんのとこ、俺はオヤジに育てられた。
だから、離婚した幼稚園のとき以来、海斗とは会っていない。
海斗の顔もなんも知らない。
だけど、俺と似てるらしい。
だから海斗は俺の心の中にいたんだ。
それからすぐ、海斗が死んだことを耳にした。
海斗...
も一度お前に会いたい。
そして聞きたい。
海斗は...
メイを愛してましたか?
そして言う。
今度は俺が、メイを愛す。