「海斗?」

海斗…らしき人ははてなマークを頭に浮かべた。

「海斗!!海斗だよねぇ!!生きてたんだね!!」

私は海斗に抱きつく。

「うわっ!やめろよ、てめぇ!」

海斗に思い切り飛ばされた私。


「ぃたぁ…。」
膝から血が出ていた。

「ぅわぁ…。」

「メイっ!こいつは海斗ぢゃねぇよ…っ。」

夕陽のいつもの笑顔は無く、鋭い目つきで私を見ていた。

「でも…」

「メイ…海斗はもう死んだだろ。」


そうだ…海斗は海斗は

死んだんだよね?

もうこの世にはいないんだよね?



海斗…

あいたいよぉ…

あいたいよぉ…


「ぅわぁぁんっ!ぁんぁん。」

私はわぁわぁ泣いた。
大学の前で。
もうすぐ入学式が始まるというのに。


「おいっ。おいってば!」

目の前にいたのは海斗…ぢゃなくて海斗のそっくりさんだった。

「ゆ…夕陽は…?」

「なんかどっかいった。あいつも泣いてたみたいだぜ?」

夕陽も…泣いてたの?


「お前さ、泣きやめよ。」

「あなたが…海斗だったらいいのに…。」



思わず言ってしまった。