「悪いっ…!待たせたっ…」





「ううんっ、待ち合わせ五分前だし、そんなことないよっ。

でも白にしては遅いね…?」





「ん…まあな…。」



白は大体いつも十分前には着いているはずだから、今日もそのくらいだと思った。


珍しこともあるんだなと思っていると、白はじっと私を見つめてきていた。




「そういう杏も…いつもは時間ピッタリなのに珍しいな?」




「!!、そ、それは…っ。」







白に会いたくて…なんて口が裂けても言えない…!




「…?杏、何顔赤くしてるんだ?

…そんなに俺に会いたかった…とか?」





「っ!?なんで分かるの…!?」




「杏の考えてることなんて、俺が分からないとでも思った?」





白はそう言って私の顔を覗き込み、
ニヤリと笑った。




や、やられた…!




「…もうっ…ずるい…。」





「ふっ…俺よりも杏のほうがずるいけどな…。それよりもほらっ…。」





「へ?わっ…!」





白はいきなり私のかじかんだ手を握りしめた。




「早く行こうぜ?杏に見せたいものがあるんだっ!」






そう言って私の手を引っ張った。