【杏side】
「許さないんだから…!!!」
唯さんは、ひとしきり語った後、
目が飛び出てしまうかくらいの目つきで睨み…そう言った。
「なに…よ…それ。」
白…本当なの…?
と私は白のほうを見ながら言った。
白はちらりと私を見た。
その目はゆらゆらと浮かび上がったなにかと共に揺れていた。
その様子を見て、私は確信する。
そうだったなら…、そうなら…。
「唯さん…、あなた最低よっ…!!!!」
拳を握りしめてそう、叫んだ。
唯さんはぴくりと眉を動かし、こう言った。
「はぁっ…?最低なのは、白じゃない…!!私を突き放しといて、逃げようだなんて…!」
「その言葉、そっくりあなたに返すわよっ!!!
突き放したのはあなたじゃない!!
散々白に酷い言葉押しかけといて…
それでもまだ、今も白を苦しめてる…!
ふっ…ざけないでよっ!!」
「なっ…なによっ!!私は間違ってなんか…っ」
「十分間違ってるわよっ!!!
まだ気付かないのっ!?
そもそも、そんな昔のこと覚えてるならまず、白に謝ってよっ!?
白は、あんたのその軽く発した、重い言葉で、
人間に必要な信頼や、かかわりを失ったのよ!?
それだけじゃないっ…!!
色んなひとまで、あんたのその自分勝手な行動に巻き込んで…!!
ふざけないでっ!!!!!」
くっ…、と唯さんは呟いた。
私は息が上がってしまって、これ以上叫べなかった。
まだ、言いたいこと、たくさんある…。
悔しい…っ…。
「杏っ…。」
「…ふっ…、うっ…く、くやっ、しいよぉっ…」