「はいはい、わかった。じゃあこれからはアンコって呼ぶから」
「だ、だからアンコじゃなくて杏子ですー!」
アンコはまた手をばたばたさせる。
その仕草はなぜか俺を愛おしく感じさせた。
「あ、そうだ。貴方の名前はなんですか?」
「俺?俺は泰史。」
「あ、苗字は山本でしたよね」
アンコは俺の顔を見てにっこり笑ってきた。
とても可愛らしい笑顔だ。
「は?…なんで俺の名前知ってんの?」
「あっ…」
アンコは しまったという顔をした。
「わ、私の他校の知り合いが山本さんの事知ってて、前に写真を見せてもったんですよ!」
アンコは慌てて俺に説明してくれた。
だがその内容は少し嘘のようにも感じられた。

