俺はなぜかその姿がとても愛おしくなった。
「…いいよ」
俺は、自分でも気づかないくらい自然と笑顔になっていた。
「あ…、あ、ありがとう…」
アンコの声は、照れからなのか、次第に小さくなっていく。
「…アンコ」
その可愛らしい仕草から、つい、アンコを抱きしめてしまった。
「え、あ、えええええ!!ちょ、泰史っ!?」
アンコは急な出来事に状況が把握できず、俺の腕の中でじたばたするだけだった。
「明日…、朝ここに迎えに来るから」
そんなアンコを見てると俺は急に恥ずかしくなってきて、それだけ言って自転車に乗ってさっさと帰りたくなった。
「泰史…」
「ん?」
俺は自転車にまたぐと、アンコの方を向いた。
「…ありがとう…」
「ああ」
俺はそれだけ返すと、自転車に乗って帰った。

