「ここでの出来事、お父様に報告しておきます。直ぐに立ち去りなさい。」

『優月様、それだけは…お許しください。』

「二度と、私達の前に現れるなッ!!」

男との距離を一瞬にして縮め、首を締めあげる。


ソレは、僕の知ってるいつもの優月じゃなく

紛れもなく、純血種であるヴァンパイアの湊優月だった。

優月よりも大きな体の男が、じわじわと持ち上げられていく。



いけない―――このままじゃ――

目の前に広がる光景が、僕のイメージと重なる。

雷に照らされた男の顔が、一瞬僕の顔に見えた。

「ゆづき、止めろ…ゴホッ…ハッ、ハッ、ハッ…――ッ」

殺すな―――優月………