純血のヴァンパイア

今までにも増して、男の笑い声が図書館に響き渡る。

『思い知ったか人間よ。優月様の本心も知らず愚かな可哀想な下等生物よ。』

優月の本心――――――

あの笑顔は、僕を信用させるための嘘……

『そうさ。我らは冷酷なヴァンパイア。人間とは相容れぬ存在なのだ。』

高らかに笑う男。


もう、何が何だか頭が真っ白になって男の声など耳に入ってこなかった。

どうして―――という思いが自分の中を駆け巡り

胸を締め付けて行く。

優月が、僕を騙していた――――――


考えてはいけないイメージが、頭の中を駆け巡る。

大鎌を持った優月が笑いながら、僕を殺す。

―――っ…ゴホッ……ハッア…



―――――優月―――――