純血のヴァンパイア


『優月様の…純血種の血は、不老不死の薬。飲めば病など立ち所に治る、と』

血が……優月の血が、不老不死の薬?

僕の病気も、優月の血を飲めば治る?

「嘘だ…優月はそんな事、一言も―――――。」

『教えていないのでしょう?やはり、あなたは友人ではないのです。ただの、監視対象でしかない。』

男の言葉が、グルグルと頭の中に繰り返される。


どうして、そんな大切な事を言ってくれなかったんだ。

あの笑顔は、全部嘘だったのか?

信じたくない―――

でも、優月は僕が何年も病気で苦しんでる事を知ってるのに。

なんで一言も教えてくれない?

優月、君はいったい―――――

僕は膝をつき、その場に力なくしゃがみこんだ。