純血のヴァンパイア

『次期当主というのは、ヴァンパイア全ての動向を把握し、同時に我らに害なす人間を処罰する役目。』

害なす人間を、処罰?

『そう、あなたも例外ではない。もし害なすものだと判断すれば、優月様は躊躇う事無くあなたを殺すでしょう。』

ククククッと薄気味悪い笑い声をあげる。

僕を優月が、殺す?

優月を信じたい。けど、どう信じたらいい?

何を信じたらいい?――――――――――


『では、これはご存知ですか?本当の友人なら既に教えているはずですよ。』

これ以上、聞いちゃいけない。

僕の中の何かが警鐘を鳴らす。

けれど、僕の口からは反対の言葉が出ていた。


「何を?」

僕の言葉を聞いた男は、ニヤリと口元を曲げ不敵な笑みを浮かべた。