純血のヴァンパイア


『では、お聞きします。あなたは、優月様の何だと思っているのですか?』

「僕は―――クラスメイトであり、友達だ。」

俺の答えを聞いて、高笑いする目の前の男。

『これは、失礼。あなたは可哀そうな人だ。優月様の本心を知らないなんて』

可哀そう?僕が?

『では、真実をお教えしましょう。』

男は、一瞬の隙をつき近づいたかと思ったら、耳元でそう囁いた。


真実―――

一瞬、知りたいと思った。

どういうつもりで、僕の周りに居るのか。

今まで、病院暮らしが長かった所為か

人に対して、疑い深くなっているのかもしれない。

なのに、優月はいつも僕の周りにいる。


いつも聞きたかった。

けど、聞く事が怖くて聞けなかった。

優月、君はどうして僕の傍にいてくれるんだ?