純血のヴァンパイア

突然、男は大声で笑い始めた。

『優月様は、ヴァンパイア界のサラブレッド。始祖直系の純血種なのです。』

サラブレッド?始祖直系の純血種?

なんだ、それ―――


男は、青白い綺麗な顔に笑みを浮かべ話を続ける。

『我らヴァンパイアは、血の濃さ=力なのです。故に始祖直系の純血種の血は混じりけのない血統。偉大なる力をお持ちなのです。』

そして、無表情な顔で

『だから、あなたに優月様は相応しくない。』と言い放った。


「だ、だから、何なんだよ。優月は優月だろ?」

そうだ。ヴァンパイアの種類なんて分からないけど

僕の知っている優月は、一人なんだ。