純血のヴァンパイア

何で誰も居ないんだよ?!

『助けは来ませんよ。ココは私が創った“異空間”ですから』

クククッと不気味に笑う男。

なんで、僕なんかに―――

『あなたは、優月様と仲がよろしいようだ。人間の分際で。』

ハァァ―ッと威嚇するように、眉間に皺を寄せヴァンパイアの牙を見せつける。

やっぱり、こいつもヴァンパイアだ。

「優月?何の関係が?」

『あなたは、優月様の事をどこまでご存じなのですか?』

「別に優月が誰だろうと、関係ない。」

早くココから逃げ出さなきゃ、と思うのに

身体が言う事をきかない。