純血のヴァンパイア



私の気持ちを察してか、蓮と燐は

雪兎の事を、お父様には報告していないみたい。



報告すれば、お父様の事だから

即刻、雪兎を捕え始末するように言うだろう。

お父様は、冷酷で慈悲なき人だ。


気付かれないようにしなくては――――




少しずつ雪兎との不思議な絆が生まれつつある中、季節は巡り

ヴァンパイアである私達にとって苦手な「夏」になった。