純血のヴァンパイア

ベッドを囲むカーテンを引き、人の目が無い事を確認すると

雪兎の眠るベッドの端に座り、身を乗り出した。


静かに、そっと雪兎の胸のあたりに手をかざす。


「っ・・・僕を殺すの?」


わっ…ビックリした。

気が付いたのか、薄く目を開け掠れる声で小さく囁いた。


「シーーッ。大丈夫だから」


少しの間だけ静かにして欲しくて、人差し指を雪兎の唇に近付け笑って見せる。


力を抜き、再び身体をベッドに沈めたの見て、目を閉じ意識を集中する。

暫くすると、雪兎の表情が和らいで寝息が聞こえ始めた。