純血のヴァンパイア

誰も、居ないわよね・・・

チラッと屋上には誰も居ない事を確認して話をし始める。

「ふ~ん。やっぱり覚えているんだ。変ね、私ちゃんと記憶消したのに・・・」

おかしいな、本当にちゃんと消したはずなんだけど?

「で、僕をどうする・・ゴホッ・つも・ゴホゴホッ・り?」

雪兎は言い終わらないうちに酷く咳き込み始め

胸を抑えながらその場に崩れる様に倒れた。


「え?・・ちょっと、大丈夫?!」

一瞬戸惑ったけど、雪兎に駆け寄って背中を擦る。

掌から伝わる雪兎の体温。

すごく熱い。具合が悪かったの?