「あの~、燐様ってファッションモデルをされてますよね?」

「うん、そうだよ。今までは海外を主に仕事場としてたんだけど、よく知ってるね」

ニコニコ、調子良く話を続けている。

「蓮様もご一緒だったんですか?」

燐様?蓮様?

燐の方に目を向けると、女子生徒に囲まれ質問攻めにあい

圧倒されているようにも見える。

様付けで呼ぶなんて・・・人間って面白いわね。


「ねぇ、蓮。」

「なに?」

本から目を離さず、返事だけする。

「私達って海外にいたの?」

「あぁ、燐が考えた。」

嘘も方便、なんて言葉が人間の世界にはあるみたいだけど

ここの生徒には、記憶をちゃんと植えつけてるみたい。

流石、蓮と燐。手回しが良いわね。