「ここに居る我が娘だが、1年後に婚儀を行うことにした。」

ふ~ん。婚儀…??え?ちょっと待って。婚儀って、結婚?!
初耳ですけど?!


ここに居る誰も知らなかったようで、みんなザワツキ始める。

当たり前か。当事者である私も知らなかったんだから。

驚き過ぎて、私は父を凝視するしか出来なかった。


父は涼しい顔で、話を続ける。

「そして、明日から一年間、次期当主候補として人間界に修行に出すことにした。」


今度は何?!修行?!それも、初耳ですけど?!

「湊家一族として、立派に使命を果たしてこい。いいな、優月。」

と満面の笑顔を浮かべて、微笑んでいる。


「はい。精いっぱい努めさせていただきます。」

私は周りに動揺を悟られまいと、笑顔をつくり

ドレスの裾を持ちながら、一礼した。