街から少し離れていて建っている僕の家。

今は誰も通らないのか、道も整備されていなかった。

だからこんなにも深い雪の中を、道とも知れぬ道を歩いている訳で。


「優月。大丈夫?少し休む?」

「へーき。雪兎の家、久しぶりだもん。早く行きたい。」


幼い頃の優月の記憶は、叔父さんが封じていたらしい。

今ではそれは解かれ全てを思い出している。

だからかココに来る前から、かなりワクワクしているみたいだった。



「ねぇ、雪兎。やっぱり雪兎の髪って雪みたいだね。ふわふわでキラキラ輝いてて……凄くキレイ。」

「そ、そう?ありがとう。」

そうまじまじと見つめられて言われると、凄く照れくさい。


そう、僕の髪はヴァンパイアに覚醒してから

白というか、白銀になった。まるでこの雪みたいに。


お陰で学校では、燐の記憶操作の所為で一時は大変だったけどね。


瞳の色は濃いアメジスト色をしている。

どうやら、この髪の色は始祖直系の男児にはよく表れるそうで

そういえば、僕の父もそうだった。

瞳の色は、深いマリンブルーだったっけ。