「雪兎?」

「いいね。泣きそうなそんな顔も。」

静瑠は、私の首に唇を這わせ、牙を立てる場所を探るかのように

上へ下へと動かしていく。

気持ち悪い―――。



「ゆ、づき・・・僕の事は良いから。そこから逃げろっ!」

渾身の力を込めて、起き上がる雪兎。

「五月蠅い、五月蠅い。邪魔をするな、このクズがぁ」

静瑠は怒りに満ちた顔で、雪兎を睨みつける。


「さっきから、ごちゃごちゃと。人間って言うのは案外しぶといんだなぁ。
いっそこの俺様が殺してやるよ!!」



「止めて静瑠!雪兎に手を出さないで!」


私の叫びは無情にも静瑠には届かなかった。