気持ち悪い――――

こんな姑息な男と、結婚するなんて―――

姑息な男……あ、そうか。思い出した。


「あなた、雪兎を図書館で襲った男の弟ね?」

そうだ。城で同胞たちを前に啖呵を切ったあの広場に、静瑠と鈴宮がいた。


「思い出したか。」

「一度ならず二度までも…どこまで雪兎を巻き込めば―――」

「巻き込んだのは、全てお前だ。」

冷たい目で覗きこんでくる。


確かに私が、巻き込んだんだ。

守るって言って、今もこうして危険にさらしてる。



「さぁ、どうする?俺と結婚して、この人間を助けるか。結婚を拒み、この人間を殺すか。2つに1つだ。」