罠だ―――――
私はバカだ。
宣言したあの夜から、何か仕掛けて来るんじゃないかと
用心していたのに―――
ここしばらく何も無かったから気を抜いていた。
シャキッ…武器に手を掛ける。
「危ないよ?そんな物騒なもの、捨ててよね。」
静瑠が何か合図をしたようで
私の後ろに数人、黒ずくめの男たちが現れる。
くっ…多勢に無勢。
この状況はかなり、ヤバい。
『蓮!燐!どこに居るの?返事をして』
「君の子犬達かい?呼んでも無駄だよ。今頃は地下牢で大人しくしてもらってるよ。」
地下牢?なんてことを。
キッと睨みつける。
「そういう顔も、ソソるね~。」

