純血のヴァンパイア

強引にも似た、鈴宮の提案に

私は、蓮と燐も一緒なら、と渋々承諾した。



ヴァンパイア界にある黒い森を通り抜け

湖の畔に、その屋敷はあった。

屋敷に入ると、すぐに静瑠という婚約者の部屋に通された。

ただ、蓮と燐には他に用事を頼みたいとかで

別の部屋に連れていかれたんだけど。



この時点で気付けばよかった。

屋敷には、鈴宮以外使用人が見当たらなかった事に。



この時の私は、どうやって婚約者という静瑠に

婚約破棄の申し出をしようか、そればかり考えていたから。