温かい――――

この温もり、絶対失いたくない。

そう思って雪兎の背中に腕をまわして

ギュッと抱きしめた。


「優月、約束して―――」

「ん?」

「僕の血を吸うって。」


なんでそこまで、自分の血を吸って欲しいのか分からないけど

雪兎の願いならどんな事でも聞いてあげたい、と思った。



「分かった。雪兎の命が尽きる時に、吸ってあげる。」


「ありがとう。」


2人で見つめあった後

どちらともなく、ゆっくり顔が近づきキスをした。




私が、雪兎のこの言葉の本当の意味を知るのは

もう少し後の事だった―――――