少し、頭を冷やそう。

そう思って、屋敷を飛び出した。

連や燐には、知らせずに。


あ……

いつかの、一本桜――――

ただ、適当に明け方の町を散歩していただけなんだけど

無意識にココに来てしまったみたい。

なんで、あんな夢見たんだろう。



ジャリ………

後ろで足音がした。

しまった。考え込んでて、気配を察知するのが遅れた。