白い雪に覆われた街並み

その街の外れ

森を抜けた先に、大きな洋館が建っている。

『お兄ちゃん』

そう、ここにはお兄ちゃんと呼んでいた

男の子が住んでいた――――――



でも、ここがどこの街なのか

いつ頃の事なのか、思い出せない。


『優ちゃん』

私のことを、そう呼んでいた。

明るい笑顔と、深いアメジストの瞳。

それだけは覚えている……ような――――


『大きくなったら、私お兄ちゃんのお嫁さんになる』

え―――――――