純血のヴァンパイア

「もともと、アイツの一族は人間と共存という理念の王と対立してたんだ。」


王様ってことは、優月の父親か。

「そこに、あの事件が起こって。優月が人間を擁護しているって騒ぎ始めた。」


何となくイメージが浮かんでくる。

城の大広間に集まる大勢のヴァンパイア達。

その中央で、反旗を翻したという一族の代表が優月を指差し

叫んでいる。


「今まで大人しかった奴らも、騒ぎに便乗して一時は騒然となった。」

最初は、一部のヴァンパイアが喚いていたが

徐々にその輪は広がり、いつしか広間に居る全員がザワザワ騒ぎ始める。