「お前は、このままでいいのか?」

さっきと同じ事を聞いてないか?

「どういう意味だよ?」

「別に。」

意味ありげに、フッと笑みを浮かべる蓮。

そして、読んでいた本をパタンと閉じると席を立った。



「あ――――昨日、よく眠れたか?静かな夜だっただろう?」

何が言いたいんだ?

「昨日は、俺たちの世界で緊急招集がかかって。みんな城に集まってたんだ。」

いつになく、言葉を話す蓮から目を離す事が出来ず聞き入った。

「ある一族が反旗を翻した。お前を図書館で襲ったアイツの一族だ。」

図書館という言葉で、一気に思いだす光景。

白銀の長い髪に、ヴァンパイアの牙。そして、アイツの笑い声。