借りてきていた本を、紙袋に詰める。

「どこへ行く?」

いつの間に、病室に来ていたのか

蓮が壁際に、もたれかかって両腕を組んでいた。

「あぁ、学校の図書室へ。」

「じゃ、俺も行く。」

蓮はいつも、言葉が少ない。

時々何を考えているのか分からなくなる。

けれど、不思議とウマが合う。



「図書館の方が近くないか?」

「あ……なんだか、あそこは近づきたくないんだ。」

本の種類はたくさんあるけど、あそこには行きたくない。