私はお父様に、すべてを話した。

雪兎という人間には私の力が効かず

出会った時の記憶を消けなかった事。

ただ、先日の事件で記憶障害になり

以前襲われた事も私の事も忘れてしまった事。

それにより、我らに害なす存在にはなりはしないと。


「その者の力は、我らに少なからず影響をもたらす。処罰しなさい。」

静かではあるが、威圧的なオーラを感じる。

父親ではなく王の顔をしている、お父様。

「嫌です。」

「何故だ?」

王は、片眉を上げ納得がいかない様子。

「雪兎は…彼は、もうそう長くは生きられません。その者の命を敢えて縮める意味があるでしょうか?」

絶対、雪兎は殺させない。

「人間の命が短いのは分かっておる。ワシは不安要素は削除するべきだと言っているのだ。」

「そんなのおかしい。絶対に処罰などさせません!」

言葉に強い意志を込め、王に反論した。