城に入り、謁見の間に進む。

玉座には、お父様。

その隣の椅子には、お母様が微笑みながら座っていた。

「お父様、お久しぶりです。」

軽く挨拶をする私の後ろでは

蓮と燐が、膝をつき深く頭を下げていた。


「挨拶はいい。それよりも、どういう事か説明してもらおうか。」

雪兎の事だ、とすぐに分かった。

一通り、蓮から話を聞いているはずなのに

あえて私の口からも聞きたいのだろう。


「分かりました。」

私も、その事で話にきたんだ。

自分の気持ちに正直になろう。