ううん、今はどうでもいい。

ただ、死なないで。

目を覚まして。声を聞かせて。

お願い、雪兎―――

眠り続ける雪兎の手を握り

祈る思いで、今日も生気を送り続けた。



「優?」

「燐、どうしたの?」

遠慮がちに、病室に入ってくる。

「優、また雪兎に生気を分けてたの?」

「うん」

ベッド横の椅子に座り、雪兎の様子を見る燐。