「さくら?」

『あぁ…』

『あ、あの木に咲いてる花だよ』


少し離れた小高い丘の上の、一本だけ立っている樹が見える。

その樹には、薄いピンク色の小さな花が咲き誇っていて

時々風に吹かれ、花弁が幻想的に散っていた。


「綺麗・・・。」

その桜を見ていると、ほんの少しだけ

イライラしていて気分が和らいだような気がした。



「蓮、燐。案外、人間界もいいね…」