何で日本人がココに?



何語話してるの?



キャ-ﾓ ﾗ ﾎﾟﾘツィ-ｱ?

イタリア語?



嘘、この人
イタリア語話せるの!?


ありえない。





「ﾁｯ」




私を掴んで離さなかった外人が、私を突き飛ばして彼の元に行く。




「ダメｯ!!」




助けてくれた人が、私のせいで傷ついちゃう。


私のせいで…




「Si」




外人は彼の胸倉を掴むと、何かを大声で言っていた。



しかし、彼は気にすることなく言葉を聞いて、何かを言いながら頷いた。



そして外人は、もう一度舌打ちをすると、私のところまで戻ってきて、ガムをはき捨てた。




「えっ?」




外人は私の横と、彼の横を通り過ぎていく。



私は立ち上がることも出来ずに足を震わせていた。




「おい、平気か?」



「すみません、迷惑かけました」




彼は私の腕を引っ張ると、無理やり立たせた。




「何された?」



「……は?」




何でソコまで言わなきゃならないんですか?



思い出しただけで、吐き気がするのに。




「もう、大丈夫です。
……………本当に」