そんなのは勘弁して欲しいよ、リアルに!!!!
イタリア人達に体を押されて、細い裏道に入って行く。
「や、やぁ!やだッ」
日本語で言ったって、英語で言うより伝わんないのに。
でも、なんて言えばイイのか分からない。
「たすけ、て…」
簡単な英語でさえ、口に出来ない。
イタリア人の一人に、耳を噛まれた。
「いや、気持ち悪い…」
目から涙がこぼれる。
そんな姿を見て笑う外人。
もう駄目なんだと悟り、ぎゅっと目をつぶった。
「La smetta!」
強い口調で、低い声。
目をつぶっていても、外人がビクッと震えたのが分かった。
私は目を開けて、声の方向を見る。
「う、そ………。
………………日本人?」
外人みたいな立ち姿に、スーツの着こなし。
イタリア人の想像通り…だけど、日本人。
「Chiamo la polizia!」
なんて言ってるのか分かんない。