「な、なに?」
いけない。
なんか浸っちゃった。
一生会えないわけじゃないのに。
なんでこんなに寂しいんだろう。
なんでこんなに。
名前を呼ばれるだけで胸がキュッとなるんだろう。
私がそんな風に思ってるなんて。
これっぽっちも思ってない、いや。
思うはずもないハイジが言葉を続けた。
「暇ならちょっとつきあわない?」
あ…これって。
言葉の後。
ハイジが左耳に触れた。
ハイジが左耳に触れる。
これは小さい時からのハイジの癖。
イタズラにしても何かサプライズ的なことにしても。
何かをやらかそうとする時。
ハイジは必ず左耳に触れる。

