私が泣きそうになってるなんて。
ハイジは気付いてない。
お願い。
そのまま気付かないで…。
溢れそうになる涙も拭えない。
零れないように必死に堪えた。
その時。
ハイジが私に何かを差し出した。

「え…?」
ハイジの差し出された右手には。
銀色に光る鍵。
「鍵…?」
何の鍵?
と、言うか。
なんで鍵…?
ハイジの意図がわからないまま。
私はハイジの右手から顔に視線を移した。
すると。
ハイジは口元にだけ笑みを含ませた。
「コレ、もらってよ」
「え?」
「俺の部屋の鍵」
ハイジの、部屋の鍵…?
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