「ど?」
「…スゴ…」
ハイジの後をついて歩いてきて着いたのは。
屋上だった。
太陽が落ちる間際のオレンジ色が連れてきた夜の濃紺。
境目がなくてグラデーションがすごくキレイ。
「市役所の屋上でこんな景色が見られるなんて知らなかった…」
周りの建物より高い分、空も近い。
灯りがついてきた眼下には。
車のテールランプも光って見える。
「…なぁ、いろは」
フェンスの向こうに広がる景色に吸い込まれそうになっていた時。
ハイジが私の名前を呼んだ。
「な…に?」
名前を呼んだハイジには。
見慣れてるいつもの緩さはなくて。
唇をキュッと結んで、何かを決めたような。
そんな顔をしてた。

