暇人達の華麗なる迷推理


彼は近くの椅子を引き寄せ、肩を落とすように座った。

「取り敢えず、北村先生からは話を聞けたね」

場の空気を変えるよう、小さく溜め息をつきながら言う紘子。
彼女はポケットから小さな四角い機械を取り出した。

「何コレ?」

手にとって見てみる。
細長い銀色の機械は、すっぽりと私の掌に収まった。

「ボイスレコーダー。メモ取るのも不自然だし、一番手っ取り早く証言残るかなって思った」

「おぉー!!」

思わず感心の溜め息が漏れる。
先程教室に戻った理由は、コレを取りに行くためだったのか。