暇人達の華麗なる迷推理


北村先生は親切に事件の全てを話してくれた。

「事件が起きたときは職員室にいたから、全然気付かなかった」

「そうなんですか……」

「藤原先生と話していた。南波先生もいたんだが……途中で帰ってしまったね」

「そうなんですか」

「それで、少ししたら藤原先生も帰っていったよ」

「なるほど……」

紘子が相槌を打つ。
洋介先生もこれくらい教えてくれればいいのに。

職員室と言えば、先生も沢山いる。
アリバイを確認するのは、簡単にできるだろう。

「田中先生ってどんな方だったんですか?」

不思議そうに紘子が尋ねる。
北村先生はどこか遠い目をして答えた。