暇人達の華麗なる迷推理


「何か用かね?」

おおう……やっぱり噂通り怖い。

キラリと光る眼鏡の奥から、鋭い眼光が私達を見下ろしている。
私達が物怖じしている間に、紘子は制服のポケットをゴソゴソと漁った。

そして、おもむろに口を開いた。

「杵島が……この間の事について謝罪したいと言ってました」

「ななななな!?」

そんな話、聞いてないよ!
あり得ないと言わんばかりに紘子を見つめる涼。
それでも彼女は止まらない。

「前回授業をサボってしまったことは、深く反省しているらしいです。何なら宿題を10倍に増やしても――」

「――!」

無言で首を振る。
それも必死な形相で。
こんな切羽詰まった涼、初めて見た。