意外だ。
紘子が堀田さんと話すなんて。
目を丸くすると、彼女は不満そうな顔で私を見てきた。
「私だって、彼女と話すことくらいあるよ」
「まぁ、そうだよね」
「そう言えば、何か妙なことも言ってたな……」
「妙なこと?」
おうむ返しに聞けば、首を縦に振る。
「何か、清水くんが~みたいなことも言ってた」
「清水くん?」
聞いたことあるような、無いような……
少なくとも、うちのクラスにはいない。
私は目線を落とし、問題集を見た。
今はそんなことよりも、テストが最優先だ。
このテストで合格点を取らないと、一学期の成績がパアになってしまう。
嫌々に思いながら一時間後、私は問題用紙に「庄司(しょうじ)恵美」と書いた。


