暇人達の華麗なる迷推理


「あの、先生」

「何だい、庄司さん?」

「昨日……」

そこまで言って思い出した。

『絶対に誰にも言うなよ』

そうだ。
何か口止めされてたんだ畜生。
モヤモヤするなあ……

「庄司?」

涼が不思議そうな顔で声を掛けてくる。
私は首を振った。

「すみません。言うこと忘れました」

「そう?」

洋介先生はイマイチ納得がいっていないような顔をする。
変なこと言ってごめんなさい。

「それで、どうしてこの先生方が怪しいと思っているんですか?」

呆れたように首を振り、話を変える紘子。

「この四人は、田中先生と特に仲悪かったし。僕じゃなくても、彼らが一番怪しいと思っているからね」

「そうなんですか」

「うん。それに、田中先生が亡くなる数日前まで喧嘩してたよ」

「……」