近くのベンチに腰掛け、コーヒーを近くに置いた先生はパンと手を叩いた。
「じゃあ、昨日の続きを説明しようか」
「お願いします」
思わず身構えてしまう。
隣で紘子が唾を呑むのが分かった。
「田中先生を特に嫌っていた先生が四人いてね。その人たちが、僕は怪しいと思っている」
「四人も……」
紘子が絶句する。
洋介先生は声を潜め、先を続ける。
「北村先生、南波先生、東先生、西川先生なんだけどね」
「西川先生って……誰ですか?」
「保健室の先生だよ」
先生がにっこりと笑う。
二人は納得したように頷いた。
アレ、何か似たような名字昨日も聞いたぞ。
確かアレは……廉からだ。
怒られてこいって言われた先生のようだった気が……


