暇人達の華麗なる迷推理




職員室前は居心地が悪い。
バカにとっては、特にそうである。

あれから時間が経って放課後。
昨日の話の続きを聞こうと、私達は再び洋介先生のところへ来ていた。

コモンスペースを通る先生方の視線が痛い。
いや、単に自分がそう感じているだけかもしれない。

「恵美さぁ、この学校に三年もいるんだから、そろそろ職員室慣れたらどう?」

「嫌だ。先生怖い。人嫌い」

「確かに、バカにとっては辛い場所だろうよ」

「……」

「でも、今は事情が違う。もっとしゃんとしなさい」

「……ハイ」

紘子に励まされるも、どうも乗る気はしない。
彼女は溜め息をつき、近くにあるホワイトボードを何の気なしに見つめた。