「あのさ、さっきの紙の事なんだけど」

廉の声に振り向く。
彼は眉を寄せ、厳しい顔で言った。

「絶対に誰にも言うなよ」

「だったら何故言った」

「何となく。誰かに言って、この言えないってストレス解消したかったんだ」

「なっ……これじゃあ、廉の言えないってストレスが私に溜まるだけじゃん!!」

「うん。それが目的」

「タチ悪ぃ……」

「とにかく、誰にも言わないでね!」

「……うん、分かった」

あぁ、誰かに言いたい。
と言うか、コイツと秘密を共有しているのが何か嫌だ。
何か共犯者になった気分になる。

廉はニヤリと笑い、空になったアイスのカップを弄んだ。