「涼、お願いがあるんだけど」
紘子がシェイクを弄びながら、涼に言う。
彼は顔を上げ、彼女の方を見た。
「何?」
「私はもう知らないから。あとは頼んだ」
「何が!?」
いきなりそんなことを言われても、理解できるハズがない。
目を丸くする涼をよそに、紘子は私を一瞥した。
「そのうち分かるよ」
そして、深い溜め息をつく。
その、まるで私に問題があるかのような目で見ないでほしいな。
「それで、清水くんって勉強苦手なの?」
「まぁ、ハイ……」
「だったらお姉さんが、手取り足取り教えてあげようか?」
オイ、いくら可愛いからと言って、後輩に変なこと言うな。


