「冗談じゃない!!だって、さっきコイツ私の頭叩いてきたんだよ?」
「いつものこと。ほら、落ち着いて」
涼に言われると何か腹立つ。
いや、涼に限ったことじゃないんだけどさ。
「あのね――」
「あれ、りょうやんに新井ちゃん!!」
反論しようとしたら、後ろから何やら甲高い声が聞こえてきた。
振り向いて、声の主を見る。
「美紀……」
「ほら恵美、落ち着いて」
トレーを持って笑う、ロングヘアーの彼女。
木更津美紀(きさらづ みき)は白い歯を見せた。
「あれ、恵美の前にいるのは……」
「清水くんだよ。知ってるよね?」


